Click to jump to the text.

Text starts here.

会長ご挨拶

混迷の時代に光る「日本の匠の技」2016.02.01


会長肖像写真  昔から「申年と酉年は騒がしい年」と言われています。この比喩どおりなら、来年末まで騒がしさを覚悟しなければなりません。しかし私は、「2年間で騒がしさが終わらないのではないか」と憂慮しています。その要因は次の3つです。
 一つは中国経済の大減速です。
 世界最大を誇る中国の貿易額が昨年、大幅な減少になりました。「世界の工場」として成長してきた中国の工場が次々に倒産しています。過剰生産した鉄、セメント、部品類が乱売されています。頼みの人件費は高騰し、中国メーカーですら工場をインド等に移転しています。投機対象のマンション群はゴーストタウン化。高利子で市民から預金を集めた影の銀行は破たん。社債の債務不履行。株価の暴落。そして政治腐敗が重なりました。かつて日本が経験した失われた20年以上の「冬の時代」が始まりそうです。
 二つ目は、原油価格の暴落です。
 石油の大消費国である中国経済の低迷は石油価格にも影響しました。産油国の生産過剰もあり、1バーレルあたり25ドル近辺(過去最高値の5分の1以下)まで下がりました。原油に投資していた巨額のマネーが消え、産油国の所有していた大量の株も売却されています。今後、原油価格に連動した株価の乱高下が続きます。
 三つめは、イスラム諸国の紛争激化です。
 いま中東を中心に忌まわしい出来事が多発しています。ISの世界規模でのテロ行為、シリア、エジプトでの内紛。サウジアラビアとイランの国交断絶等です。
 イスラム諸国の多くが産油国です。これまで原油の産出量が国力を左右し、収益の分配が国民の幸福度を計るモノサシのようなところがありました。「金持ち喧嘩せず」ではないですが、大きな混乱に至らずに済んできました。今後、価格低下が長引いた場合が危険です。原油の貴重性が薄れると、中東産油国は先進国から丁重に扱われなくなります。他国の仲裁もなくなり紛争は拡大していきます。世界平和は脅かされます。
 これら3つは関係が深いのです。共通して言えることは、国として誇れる産業、特に高品質製造業があるか否かに関係があります。
 中国は「価格競争優先」のものづくり社会が生んだ悲劇だとも言えます。また産油国は多くの人口を抱えながら、原油以外に産業を見いだせなかった国家・国民の不幸です。ISの台頭も、働く場のない若者が不満の矛先を見つけているように思えるのです。
 忘れてならないのは、いつの時代も、混迷から立ち直るのは、ものづくりです。
 幸い日本には武士道精神を持った「和魂商才」という品質にこだわる文化があります。責任感の強い「匠の技」の人たちがその中心にいます。これら技能士に光をあて、積極的に活用していくことが「混迷の時代に輝く日本」になります。
 4年後は東京五輪開催です。いまこそ日本の匠の技の素晴らしさを世界に発信していかなければなりません。技能士会は積極的な活動を展開していきます。


一般社団法人 全国技能士会連合会

会長 大関東支夫(おおぜきとしお)

技能士のいるお店を探す

  • 自分のお店を匠の技ネットで紹介しよう!
  • 技能士カードを持とう
  • 全技連マイスター認定者